標題で言いたいことは言い切ったので本文では細かい話を書いていきます。長いしただの自分語りなのでライブのレポートみたいな記事を期待されるとそこはご期待には沿えないと思います。ただ、標題を読んで、「なんかこいつの言ってることわかる気がするぜ」って思った人は最後まで読んでいってもらえると僕が喜びます。
さて、堀江由衣5thツアー「文学少女倶楽部II」、終わりましたね。
かれこれ18年ほどとなる僕のほっちゃんファン歴の中で(ほっちゃんは17歳ですけど)、初めて休みと資金面でのタイミングが合ったので、
(後から発表されたイベ被りに後ろ髪を引かれたことは正直に白状したうえで)今回のツアーは僕のほっちゃんファン歴のなかで初の全公演参加でした。
ツアーの全通なんてのは自己満足でしかないとは思いますけど、自分でやったこともない人が(つまりこれまでの僕ですけど)全通した他人を指してそう言うのは何かが違うはずなので、そういうのはあまり褒められたものではないよね、という前置きをしたうえで、それでも今回自分がツアー全通の選択をしたのはやっぱり自己満足でした。つまり、今回このタイミングで全通することに自分なりの意味があったというわけで、誰かにマウントとるためにっていうのではなかったのは本当です。
……とはいえですよ、このコロナ禍。
声優系のイベントの回復が遅れる中で、僕が新たに見出した楽しみが、コールで湧くことをあまり重視しないいわゆる「楽曲派」と呼ばれるライブアイドルグループのライブで、この2年間で随分とそっちに通う頻度が上がりました。正直言うと、このほっちゃんツアー全通は自分で参加を決めたのにモチベを上げるのに直前まで苦労したわけです。
この2年間を経て、心のどこかで思っちゃったんですよ。
別にコールできなくても良くね?
沸けなくても良くね?
僕は楽曲を聴きに行ってるんだから、別にそこはなくたって良くね?
……すみません、間違ってました。
何で僕はこんなに斜に構えていたんだろう、ってほっちゃんのツアーで反省させられたんですね。大人の配慮をしたうえでの過剰適応とでもいうか、認知的不協和を解消するための防衛機制とでもいうべきか、難しい言葉でごまかすと、まあそんな感じ。
んで、それが標題の話につながるわけです。
はい、ここまでリード文。長いでしょ?
でもここまで読んだんだから付き合ってくださいよ、最後まで。
さて、我々「劇団ほりえ」(ライブの観客のこと。観客にも積極的な参加を求めるスタイルから自然発生的に呼ばれるようになった。)はこれまで如何に騒いで盛り上げるか、が勝負でしたが、このご時世を受けて今回のツアーで与えられたのは「静かに騒がず盛り上げろ」という難題。
我々に与えられたのは音声が出せるペンライトと、手拍子という手段のみ。
道具は用意した、これを使って盛り上げろ、とは言われつつも、最後に気持ちがついてこなければ難しい話です。
とはいえ参加してみると自分で思っていた以上に楽しめました。あまりにも無茶な色替え指定や、あまりにも高難度な振りコピ講座に我々も試されている感がありましたが、多分そこはほっちゃんの我々に対する信頼あってこそなのでしょうし、やってやるぞ!って積極的に参加する動機にもなって最終公演ではそれなりにこなせて楽しかったです。
そして終盤、声出しを禁止されている状況での「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」。
コール曲として知られ、これこそまさにどれだけ騒げるかを追求すべき曲だと思うのですが、この曲、これまで騒ぐのが楽しいあまりにあんまり歌詞をじっくり聞いたことがなかった気がしたんです。
今回のツアーでは声出しがなかった分曲に集中できたところがあったのも事実で、殊に「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」についてはコロナ禍を経て聞くと妙に心に響いてくるものがあったのでした。
いろいろなものを我慢したり先送りしなくてはならなかった人がこの2年間たくさんいたと思います。
個々の選択に対する善し悪しは語りませんが、少なくとも確かなのは、この2年間、自分の子どもじみた欲求は抑えて、大人として振る舞わなければいけない場面が多かったことでしょうし、人と人とのつながりが希薄になってしまった場面もたくさんあったと思います。
それは仕方ないです。
ルールは守らなくてはいけないですし、自由というのは何をやってもいいという意味ではないこともわかっています。
でも、だからといって、やりたいことを「やりたい」って気持ちそのものまで忘れてしまっていいかといわれるとそれは違うし、ましてやそれをごまかして大人のフリをするのはもっと違うわけで。
世界中がアダルトだらけになってしまっていいんでしょうか。
自粛生活のなかで、一人でいるのは楽だよなって確かに思いましたけど、本当にそれでいいんでしょうか。
違いますね。
「声が出せなくても、劇団ほりえの皆さんに全力で楽しんでもらいたいし、全力で盛り上げられるはずだ。皆さんならできる」というほっちゃんやスタッフの皆さんの想いが、「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」に込められていたように僕は思ったのでした。
そして「なに斜に構えてるんですか?あなたが楽しまないとライブは完成しませんよ?」ってほっちゃんに言われた気もして、何か大切なものを思い出した気がします。やっぱりどれだけ他の現場に行こうとも、ここは原点であり特異点なんだなって再認識したわけです。
さて、コロナ禍はそろそろ収束の兆しも見えつつありますが(油断はしてませんしあくまでも僕の主観ですので、あまり怒らないでくださいね)、そうじゃなくとも世界の秩序はかなり不安定な状況にあります。具体的には語りませんけども、平和ってこんな簡単に崩れるんだなって思わされる出来事ばかりです。
足元の社会情勢は不安ばかりですが、ここで「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」から一節を引用します。
まだまだ これから
人類も 世界も どうせ
始まって ゆくのでしょ?
悩んでる 暇なんてない
やるしかないでしょ!
そう、過去の歴史を振り返ってみても、どんなに災厄や惨禍に見舞われようとも、人類も世界も滅亡せずにここまで来たのです。
どうせ世界は勝手に回っていくんだから……と書くと、じゃあ何をやっても無駄なのか、ってなるかもしれませんが、そうじゃなくて、"childish" な気持ちを忘れずにもがいて走って頑張ってる人がいること、それが大事なんだと思うのです。
それならば、きっとまだまだ人類は絶滅しないで済むだろうし、だからこそ、この世界に絶望するにもまだ早いのではないでしょうか。
激動の世の中でも、ほっちゃんが、変わらず「17歳」でいてくれる。
それはきっと、なんだかんだ大人になってしまった僕らにとっての希望ではないかと。
ライブで声は出せなかったですけど、心の中で僕は大きく叫んだのです。
フレー!フレー!ほっちゃん!
【余談】
日替わり曲枠では昔のレアな曲が聞けましたし、最新アルバムの新曲も生バンドで演奏されることでめっちゃよくなってましたね。
アルバムの新曲で、ライブで聞いて印象が変わったのが「ラブアテンション」。
サビの「ラブア《テンショ》ン」でダンサーさんの振り付けに合わせて跳ぶのがすっげー楽しいです。ヨシダタクミさんの楽曲が持つ独特の「前のめり感(もちろんいい意味で。定番通りのリズムだと休符挟むようなところをすっ飛ばしてこれを出してるんだろうけど、それ故にブレスも削られてボーカルに負担がかかるというw)」が生バンドが生み出すグルーヴでさらに増幅されてとてもよかったです。
あと既存曲ですと「恋する天気図」ですねぇ。この曲めっちゃ好きなんですけど、東京1日目の「堀ジャム」のコーナーで、ギター担当でバンマスのエンドウ.さんがシャッフルのリズムが実は苦手って話から、例の2番終わりの間奏の「ハネない」バージョンを聴けたのもよかったですし、東京2日目では目黒さんのベースを単体で聴けて感動しました。この堀ジャムだけでもツアー全通した意義があったなって思います。
※シャッフルってのは、4分音符1つを半々に分割しないで3:2とかに分割する、ちょっとタメるような譜割りのことを指します。ジャズのリズムがコレですね。
もちろん、ほっちゃんのライブを自分が住んでる関東以外で観たいってのはちょっとした夢でしたし、それに絡めて名古屋や大阪を観光したのも良い思い出になりました。2012年のツアー(Secret Mission Tour)の時に東京公演の1日だけ参加して、来年度から社会人だから悔いのないように……って思ってた自分に、その10年後にほっちゃんのツアー全通するよ!って伝えに行きたいですねw
【さらに余談】
今回のツアー全通の代償として行かないことを選んだほうの現場をなるべく埋め合わせようとした結果、4月の後半は土日のスケジュールがかなりキツいことになりましたがw、まあこういう無茶なスケジュール組みも久しぶりだったのでそこまで含めて楽しかったですね(前の現場の特典会を最低限で切り上げて荻窪から恵比寿に回したのがいちばんキツかったw)。
それと、この文章を読んで「Longさん声オタに戻ってくるんだね」って思った人がいたとしたらそこはちょっとだけ違います。
元々自分の範囲を「声オタ」に限定したつもりはないですからそもそも離れたつもりはないですし、また僕は新たな楽しみを覚えただけです。
自分に刺さるライブをやってくれるならどんなものでも観に行きたい気持ちです。
だから、その時の気分に合わせて、声優現場にいたりアイドル現場にいたり、はたまた全く別のジャンルの現場にいたりするかもしれませんけど、参加したからには目の前のライブを楽しむつもりですので、もし現場で私を見かけたときには、今後も何卒よろしくお願いいたします。
ただ、コールなくてもいいんじゃないかなってちょっとでも思ってしまったこと、これだけはちょっと違うなって反省したのでした。
早くみんなで声が出せる世の中が戻ってきますように。
ここまで読んでいただいた方、またライブ会場でお会いできた皆様、ありがとうございました。またいつかどこかでお会いしましょう!