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500系登場により東武特急はどうなるか?

《はじめに》

2015年4月22日付で、東武鉄道より新型特急電車「500系」を2017年春に導入することが発表されました。
公式プレスリリース

主な特徴は以下の通り。
○前面貫通構造で分割併合に対応した3両固定編成(2M1T)
○永久磁石同期電動機(すなわち1C1M方式)、アクティブサスペンション搭載
○座席数は1編成で161席でシートピッチは1000mm
○個室については言及なし(恐らく設定なしのモノクラス3連)
○3両固定編成8編成導入
○川崎重工製

東武はこの形式を使って、広域ネットワークを活かした新たな特急列車の運転系統を作り出そうと模索しているようです。
今でこそ東急沿線に住んでおり、興味の中心がそちらに移りつつある私ですが、もともと東武沿線で育った私としては、これほど心躍るニュースはないものです。
そこで、この記事では、500系の投入により、既存の東武特急がどのように変わっていくか、なるべくデータに即して予想していきたいと思います。

《東武特急の歴史》

まず、東武特急のこれまでの歴史を整理してから予想に入ります。

○日光・鬼怒川方面

東武日光行きの「けごん」と、鬼怒川温泉行きの「きぬ」に加え、JR線と直通する「日光」(東武日光行き)「きぬがわ」(鬼怒川温泉行き)の4列車で運行されています。JR直通特急は新宿を起点とし、池袋、浦和、大宮と停車し、栗橋駅構内に存在する連絡線を介して東武日光線に直通します。臨時列車では八王子や品川、大船発の列車もあります。東武線内発着の特急は「きぬ」の一部が鬼怒川公園あるいは新藤原発着のほか、新栃木・春日部発着の「けごん」があります。

東京対日光の輸送については、かつて国鉄と東武は熾烈な競争を繰り広げていました。昭和50〜60年代にかけての温泉ブームの追い風を受けて日光への観光客は増加し、デラックスロマンスカー1720型を投入した東武は国鉄との争いに事実上勝利し、日光・鬼怒川方面への輸送における覇権を勝ち取ったのでした。

その後、バブル経済期の末期に100系「スペーシア」が投入されましたが、バブル経済の崩壊とモータリゼーションの進展、個人旅行の一般化や海外旅行の選択肢が増えたことによる、温泉旅館の需要低下といった要因が複合し、その後は輸送人員が右肩下がり。スキーブームや、野岩鉄道会津鬼怒川線との直通開始を受けて、これまで日光方面メインだった列車の構成を鬼怒川方面メインにシフトさせ、北千住や春日部を停車駅に追加することで利便性を向上させるも、輸送人員の減少を完全に食い止めることができませんでした。

そこで、東武の路線網が手薄な東京西部や、自社の路線でありながら本線系統と直接のつながりがない東武東上線系統からも乗客を取り込もうと、ついにかつてのライバルであったJRと手を組み現在に至ります。


100系のスペックを500系と比較すると
座席数は1編成(6両)で288席であり、500系を2編成連結して6両とした場合より減少します。
これは、100系にはコンパートメントカーとビュッフェカーが連結されているほか、シートピッチが1100mmとかなり広いためです。
駆動装置はGTO VVVFインバーターによる1C8Mのかご型誘導電動機によるもので、オールM方式です。
日光線の勾配でも難なく走れる超高出力で、設計最高速度は130km/hです。
編成全体の出力は500系より上かと思われますが、500系が搭載する永久磁石同期電動機は誘導電動機よりも力行時や回生制動時のエネルギー効率が高く、単純な比較はできません。

○伊勢崎線方面

特急「りょうもう」のみが設定されており、赤城行きを主体として、太田、館林折り返しのほか一部が伊勢崎や葛生まで運転されます。
日光・鬼怒川方面の特急が設定以降さまざまな変遷を経てきたのとは対照的に、伊勢崎線方面の特急は大きな変化は見られず安定的に推移しています。主要な乗客は群馬県の工業地帯への用務客で、それに加えて足利方面への観光客や群馬方面への帰省客、埼玉県北部や群馬県南部の長距離通勤客なども想定されています。

日光線系統からのお下がりで運転されており愛称も整理されていなかった初期は、上毛電鉄に直通して中央前橋まで運転されるような列車があったりもしますが、1800系電車に統一され、急行「りょうもう」となってからは好調に拡大していき、4両から6両への増結、200系電車への統一と特急格上げを経て現在に至ります。

使用されている電車は200系と250系です。

200系は1720型の主電動機と台車を流用し製造されたもので、伝統的な直巻電動機に界磁添加励磁制御を組み合わせて回生制動を可能にしたものです。小出力モーターによるオールM方式で、伊勢崎線特急のスピードアップに寄与しています。250系は30000系と同一の走行システムを持つ完全新製車で、IGBT VVVFインバーターによる3M3T方式という東武では一般的な機器構成です。500系が「りょうもう」のダイヤを走れないということはなさそうです。

座席定員は1編成(6両)で404席で、500系2編成よりも多いです。シートピッチが985mmとやや切り詰められており、客用扉を省略して座席を詰め込んでいる車両(200/250-3形)があることが理由です。

○その他

かつての快速急行からの流れを汲んでいる特急「きりふり」「ゆのさと」「しもつけ」という列車があります。

「きりふり」はもともと東武日光行きでしたが、現在定期運用として存在するのは春日部行きおよび南栗橋行きのホームライナーで、東武日光行きは臨時列車としての設定のみです。

「ゆのさと」は鬼怒川温泉行きですが、現在は時刻表に載っている列車が存在せず、季節列車としてのみ運転されています。

「しもつけ」は東武宇都宮行きで、朝に浅草に上り、夜に宇都宮へ下る1往復の設定になっています。
東武宇都宮駅がJRの宇都宮駅よりも市の中心部に近いこと、JRと比べて運賃が低廉なこと、工場の多い壬生町を経由することから、用務客に一定の需要があるようです。

他に、会津田島まで運転される「南会津」という列車も存在しましたが、現在は「AIZUマウントエクスプレス」が鬼怒川温泉や東武日光まで直通し「スペーシア」と連絡することでこれに代わられています。

これらに使用される電車は300・350系で、かつて「りょうもう」に使用されていた1800系から、経年の浅い4編成を選び、6両編成2本(300系)、4両編成3本(350系)としたものです。4両編成が製作されたのは、野岩鉄道と会津鉄道、東武宇都宮線に6両編成が入線できないためです。定期の「きりふり」が300系で運用され、「しもつけ」は350系で運用されます。臨時の「きりふり」「ゆのさと」は350系での運転です。

100系と同時期に登場した車両で、かつては急行列車として運転されていました(その後、種別再編時に特急に昇格したものの、特急料金の額は据え置かれている)。日光・鬼怒川方面の特急の需要が減少し、特急の停車駅が増えていくことで実質的に特急との差が小さくなってしまい「きりふり」と「ゆのさと」の定期運転は廃止されました。

走行機器は8000系をベースにした抵抗制御で、日光線の勾配に対応するべく電動車比率を上げて発電ブレーキと抑速ブレーキを追加したもの。これであれば500系のほうがはるかに高性能です。

座席数は300系1編成(6両)で408席、350系1編成(4両)で268席と、500系よりは定員が多くなっています。

このほか、かつて存在したものとして、野田線の大宮駅から運転される急行「きりふり」(東武日光行き)「りゅうおう」(鬼怒川温泉行き)が5700系により運転されていました。1970年からの2年間という短期間の設定であったのは、恐らく野田線の設備の貧弱さや、大宮からであったら国鉄を利用したほうが有利であったことが理由ではないかと思われます。
現在は、「日光」と「きぬがわ」が大宮に停車するため、東武としては野田線経由での鬼怒川方面への特急を新たに設定するメリットは薄いでしょう。

また、6050系を改造した展望列車634型による「スカイツリートレイン」という列車もあり、太田、大宮、鬼怒川温泉、東武日光の各所を発着する列車が設定されています。

《運行本数と編成本数》

きぬ:上り16本 下り14本
けごん:上り3本 下り6本
りょうもう:26往復
しもつけ:1往復
きりふり:春日部行き下り1本、南栗橋行き下り1本(平日のみ)
スカイツリートレイン:太田発上り1本、大宮発上り1本、鬼怒川温泉発着1往復、東武日光発上り1本、新栃木行き下り1本

※JR直通特急は500系で置き換えられる可能性は皆無と考えここでは除外しています。

100系:6両編成9本
200・250系:6両編成10本
300・350系:6両編成2本、4両編成3本
634型:2両編成2本

《500系運用予想》

さて、これで必要なデータが揃いましたので、具体的な運用の予想をしていきます。
まず、車内設備および運行本数から考えて、「りょうもう」に投入されることはほぼないと思われます。
列車の性格はJRでいうところの「ひたち」や「あずさ」に近く、実用性本位の設計が求められるためです。
「りょうもう」は恐らく経済性と実用性に特化した汎用特急としての新型、600系が製造されて置き換えられることでしょう(恐らく60000系と共通の走行機器を搭載した、日立製作所製の新車。)

また、100系と500系とでは車内設備に格差があることから、100系は500系登場後もしばらくは運用され続けるものと思われます。ただ、VVVFインバータ装置がかなりの旧型で、機器更新が近いうち必要になると考えられます。

一方で300系は、種車から通算すると経年が40年ほどに達しており、エネルギー効率が悪い抵抗制御であることから、長距離の運用からは撤退するものと考えられます。

634型も、6050系の改造車であることから走行機器は経年50年ほど、車体も20年以上が経過しており、定期運用を持たせるような使い方は恐らくしないはずです。

以上のことから、500系は既存の特急網の主要列車を置き換えるのではなく、隙間を埋めていくような運用のされ方がされるのではないかと推測されます。

次に、既存のダイヤをベースに、500系で置き換えられそうな列車を考えてみました。以下の通りです。

きぬ106号・108号:下今市で特急連絡と接続して東武日光方面へ連絡しているのを、「きぬ・けごん」併結として置き換え
けごん2号・204号:2号が春日部発で204号が新栃木発
スカイツリートレイン:500系に置き換えて定期運用化
しもつけ:栃木まで「けごん」あるいは「きぬ」と併結の多層建てとする

きぬ106号・108号は、下今市発の特急連絡列車が100系で運用されていることから、これをまとめてしまえば効率化が図れます。けごん2号・204号は朝の上りの着席定員増加を見込んでの予想ですが、前者と比べると決め手が弱いです。
このどちらかを500系に置き換えれば、100系の運用が最低2運用空くこととなります。また500系は4編成充当です。

また、「けごん・きぬ」と「しもつけ」の多層建て列車とスカイツリートレインに相当する新しい特急は1運用で全て賄える程度になると予想されます。これで2編成充当となり、予備車に2編成、とすれば順当なところではないかと。
上り「しもつけ282号」は「きぬ110号」と統合するか、区間快速44列車を新栃木で分断して以南を特急に格上げした扱いとして統合とし、下り「しもつけ281号」は「きぬ131号」との統合になるでしょう。

具体的な運用パターンとしては、まず、「しもつけ・きぬ」の併結で朝に浅草に上ってきた500系を浅草で一旦分割し、回送で大宮と鬼怒川温泉に送り込みます。鬼怒川温泉行きは繁忙期は客扱いを行う臨時列車として扱い、大宮への送り込みは業平橋で時間調整を行います。その折り返しとして、スカイツリートレイン4号・6号に相当する、大宮と鬼怒川温泉からそれぞれ出た特急を春日部で併合する列車を走らせ、浅草で折り返して次は鬼怒川温泉と東武日光へ。その後浅草に戻ってきてから東武宇都宮行きと鬼怒川温泉行き、とすれば時間的にもつじつまが合います。

太田発のスカイツリートレインはそのまま634型での運行を続行、「きりふり」はホームライナー的側面が強いためそのまま300系での運行を続行、となると予想しています。634型や300・350系は団体輸送で力を発揮するでしょうし、特に634型は新藤原より先の野岩鉄道線にも入ろうと思えば入れるはずなので、走行機器自体は旧式でもまだまだ生き残ると思われます。

そして、100系の運用が空くことになるため、順次走行機器と内装の更新工事に着手するのではないかと予想しています。100系は現在でも十分な水準の車内設備を備えているため、これが大規模リニューアルとなれば、新車とも比肩できるレベルの設備となることでしょう。ただ、座席モケットや壁紙の張り替えは2012年にすでに実施されているため、内装の更新はビュッフェコーナーや個室の改装、トイレのバリアフリー対応化くらいの更新にとどまるのではないかと考えています。

そして9編成全ての更新が完了したら、臨時特急まで含めて100系と500系で賄えるようになるため、臨時快速は350系での運転となるかそもそも設定自体がなくなり、1819編成は用途廃止により廃車、となりそうです。1819編成は勾配を走るには難があるため、東武としても日光方面への入線は極力避けたいはずです。

《まとめ》

結論として、500系の投入により300系列の運用がさらに空き、1819編成や6050系の運用にも余裕ができる、ということになりそうです。

また、一時的に300系列を保持しながら100系のリニューアルを行う余裕ができるため、100系の機器更新が行われる可能性は濃厚です。

特急型でありながら派手さに欠ける形式が登場しましたが、効率化を図ることがより重要と考えたのでしょう。634型も長く使うとは思えないので、次は新しい展望車がほしいところですね。

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